今回の映画祭では、結局映画は一本しか見ませんでした。もう少し到着が早ければ、彼岸花(デジタル・リマスター版) 〈1958/小津安二郎監督〉が見られたのですが、ぎりぎりで間に合わなかったので断念。彼岸花であれば、また見る機会があるのではないかと思います。
今回は「そして父になる」とか「永遠の0」とか「アナと雪の女王」など近年話題の映画が多く上映されました。茅野には常設の映画館は今はひとつもありませんから、茅野市民には楽しい映画祭になったかもしれません。
今回見たただ一本の映画は小津安二郎監督のサイレント映画「落第はしたけれど」でした。
サイレント映画を見る機会はめったにないので楽しみにしていました。
上映会場は新星劇場でした。2013年11月11日を持って閉館した映画館ですが、今も不定期で映画の上映を行っている他野外映画や移動映写サービスも行っています。
新星劇場前にはテントを設営してちょっとした休憩場所が出来ています。休憩するだけではなくて、スタッフによる様々なサービスが受けられます。コーヒーやちょっとしたおやつが用意されていて、無料で楽しめます。その上、スタッフの笑顔付き。
なんと!小津安二郎監督が好きだったという「ダイヤ菊」というお酒もふるまわれていました。「ダイヤ菊」の名称は、最高の宝石「ダイヤモンド」と日本の名花「菊」を組合せ、最高のお酒を目指して名づけられたものだそうです。(参考 → HP)諏訪大津屋本家酒造株式会社で作っている茅野のお酒です。(茅野駅前から3分というところに会社があるそうなのですが、その割には町中で販売していないような・・・ぶつぶつ)
小津安二郎監督の仕事場での日記『蓼科日記』には、ダイヤ菊が度々登場するそうです。気に入っていたんですね。べたべたした甘さがまったくなく、すっきりした美味しいお酒でした。すぅっと喉を通る感じ。ダイヤ菊帰りに買おうかなと思ったのですが、五合瓶だとラベルのデザインがちょっと気に入らない。一升瓶と同じデザインのがいいんだけどなー。
ほんのりしたところで入場開始。新星劇場にぼーっとしたまま入っていくと、なんと!女優の片桐はいりがテレビで見るのとおんなじ感じで普通にもぎりしてました。うわー びっくり。そしてものすごく感激した自分にびっくり。自分で思っていたより片桐はいりさんのこと好きだったみたいです。
で、やっとその「落第はしたけれど」の話です。
1930年の映画です。大学生のグループの話で、猛勉強に打ち込むもの・・カンニングにいそしむものと色々いるのですが、お隣にある喫茶店のおねえさんに励まされながら卒業に向けて奮闘するコミカルなお話です。ストーリーは、どおってことないのですが、カンニングにいそしみ結局落第する斎藤達雄、お隣の喫茶店の楚々としたおねえさんの田中絹代がいい感じです。田中絹代ってお年を召してからしかしらなかったんですが、実に可憐なんです。
あ・・そうそう、グループの中の真面目は組に若い頃の笠智衆が出ています。かなりハンサムです。目がきれい。
活動弁士は澤登翠(さわとみどり)さん。(HPはこちら)国内だけではなく、フランス、アメリカ他の海外公演もなさっているそうです。サイレント映画は数回しか見たことがないのですが、弁士によってだいぶ映画の面白さが変わってしまいます。活動弁士はものすごく重要です。弁士がいなくても、ストーリー自体はきちんとわかりますし面白いですが、途中俳優さんについてもコメントを入れてくださったりするのが、ありがたかったです。
チャンスがあれば是非観てください。全然古さを感じません。
映画が終わってからは弁士の沢登翠さんと片桐はいりさんのトークショーもありまして、楽しく拝見しました。片桐はいりさんはテレビとまったく印象の変わらない方でしたが、ほっそいです。思っていた以上に痩せた方でした。トークショーが終わってからもロビーでお見送りをして下さるというサービス付き。同行者はサインをしていただきました。うれし。
新星劇場
〒391-0005 長野県茅野市仲町9-15
休館日 / 毎週木曜日 駐車場 / 12台
営業時間 / 9:00~20:00 電話番号 / 0266-72-2310
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